大人でも子供でも、譜面を読めるようになるには時間がかかるものです。
譜面の読み方を教えるときに講師が気をつけたいのは、
「読めてない前提」で教えた方がいい事。
特に子供の生徒に対してはより一層気をつけましょう。
「前に教えたからもうわかるでしょ?」は講師の甘えです!
子供の生徒がどんどん辞めていくのは、そこが原因かもしれません。
実際にあった事例を書きながら、
なぜ「読めてない前提」で教えるのかを、
ふわっと書いて行きます。
では行きましょー!
実際に私も読めてないのにレッスン受けてた
そもそも読めてない前提で教えるようになったのは、
昔自分がレッスンを受けている時に「全然譜面が読めてなかったから」です。
「ここは8分音符だから・・・」
とか言われても
「そもそも8分音符ってなんだっけ?」状態。
「そんな事あり得るの?」と思うかもしれませんが、
全然ありえます。
子供に多いですが、「先生の動きを真似しているだけ」で、
「実際は譜面を全然読んでない」なんてことになるんです。
かくいう私もその一人。
読めてないのに読めてるふりをして、
先生の真似をしていただけでした。
「読めないって言ったら怒られるかも・・・」と思って、
そのまま長年レッスンを受けていた結果、
レッスンを受けているのに譜面が読めないドラマーが誕生したわけです。
実際にあったケース
他の先生が教えていた子供の生徒を引き継いだ時の事。
その先生からは「譜面はある程度読めるけど、集中力が無いかも」
と伺っていました。
実際にレッスンをしてみると、多分全然譜面が読めていなさそうです。
私「今日からよろしくお願いします!いくつか質問してもいいかな?」
生徒さん「うん!」
私「譜面は少し読めるかな?」
生徒さん「全然読めない!」
私「譜面って難しいからねー。ちなみに、ここの×印(ハイハット)の意味はわかるかな?」
生徒さん「わかんない!」
私「印もいっぱいあるから覚えるの大変だよねー。ちなみに楽器の名前はいくつか知ってるかな?」
生徒さん「全然知らない!」
私「わかった!これから少しずつ覚えて行こうね!」
生徒さん「うん!」
なんてやりとりがありました。
前の先生は「譜面がある程度読めるはず」と思っていたみたいですが、
生徒は「一切読めていない」状態ですね。
そもそも楽器の名前もわかっていなかったので、
「じゃあ次は〇〇使うよ」と言われても「?」としかならなかったはずです。
おそらく生徒さんは頑張って先生の真似をしていたんでしょう。
よくわからないものをずーっと真似し続けるのは疲れるものです。
その結果、集中力が切れてしまっていたのでは無いでしょうか。
「じゃあわからないものを少し勉強していこうか」レッスンを始めたら、
生徒さんは楽しそうに受けてくれました。
生徒さん「わからないことがわかると楽しいし、嬉しい!」と、
集中力が切れることもありませんでした。
「前に説明したから」は講師の甘え
講師は人に何かを教える仕事ですが、
「前に説明したから、もう言わなくてもいいでしょ」みたいな考え方は、
ただの甘えです。
「覚えられない生徒が悪い!」と思うなら、今すぐ講師業を辞めた方がいいです。
向いてません。
生徒からお金を一切もらわずに、
「弟子が勝手についてくる」みたいな状況なら話は別ですが・・・( ゚д゚)
物事を覚えるのに
・すぐに覚えられる人
・少し期間がかかる人
・長期間かかる人
など、いろんなタイプがいます。
自分が覚えられた期間で、他の人も覚えられるわけではありません。
前に説明した事でも、何度でも確認しながら説明しましょう。
一回で完璧に覚えられる人なんていません。
読めない前提で悪い事なんて無い
譜面が読めない前提で話を進めて、悪い事なんて1個も無いです。
読めていなければもう一度説明すればいいし、
読めているのなら「その生徒はどれだけ読めてるのか」がわかります。
その時のポイントは
「質問形式にする事」です。
譜面が読めていない前提で、生徒に聞くんです。
・このパターンは叩けるか?
→それが初めてみるパターンならある程度読めてる
→叩いた事あるパターンだともしかしたら覚えているだけかも。要繰り返し
→叩けなければもう一度説明すればいい
・この譜面はどの楽器か?
→実際に叩いてもらう。何度も繰り返して合っていれば読めてる
→ついでに楽器の名前も聞く
→わからなければもう一度説明すればいい
・これは何部音符か?
→初めてみる譜面でもスラスラ答えられれば読めてる
→知ってる譜面の場合でも繰り返して聞いてみる
→わからなければもう一度説明すればいい
「読めない前提」で話を進めているので、
読めてればしっかり褒めればいいし、
読めてなければもう一度ゆっくりと説明すればいいだけです。
すぐ覚えられるタイプでも、なかなか覚えられないタイプでも、
その繰り返しで生徒さんはだんだん譜面が読めるようになります。
どっちもタイプだったとしても、読めない前提で上手く行きます。
読める前提で話を進めても、
読めない人が出てしまうというデメリットしかありません。
生徒としっかりコミュニケーションを取ろう
「ただ教える」だけの一方的なレッスンでは、
生徒のことは把握できません。
しっかりとコミュニケーションをとるようなレッスンを心掛けられれば、
その生徒のことがわかってくるはずです。
「こういうものだから」
「覚えればいいから」
ではただの一方通行。
「質問は?」
「ここまではわかりますか?」
など、コミュニケーションを交えたレッスンにしたいですね。
まとめ
子供の生徒が読めない、出来ない、覚えられない、のは当たり前です。
それを出来るようにする為にレッスンがあるんです。
講師は「もう出来るはず」と決めつけないで、
「出来てなかったらもう一度しっかり伝えよう」と
思っていた方が得られるものが多いです。
車の運転と一緒です。
「もしかしたら、かもしれない」を意識して、
いいレッスンにしたいですね!
ではまた!(=゚ω゚)ノ