音楽講師をしていると、
「じゃあちょっと一人でやってみて下さい!」
なんて時がたくさんあります。
ゆくゆくは一人でも出来るようになってほしいので、
生徒だけでやってもらうのはとても大切な事ですね。
生徒にどんな練習をしてもらうか考えるのも講師のお仕事。
私はレッスン時に「ちょっとムチャ振りします!」なんて事をよくするのですが、
ムチャ振りの大切さについて、ドラム講師がふわっと書いていきます。
これから「音楽講師を始める!」なんて方の参考になればと思います。
仕事の人材育成や、子育てにも参考になるかもしれません。
ではいきましょー!
どこまで理解できているか確認したい
私がやってるのはマンツーマンレッスン。
生徒さんは講師と一緒にパターンを練習出来るので、
譜面を見なくても動きを真似られます。
この「動きを真似られる」のがいいところでもあるんですが、
悪いところでもあります。
私が昔ドラムを習っていた時の事。
当時私は全然譜面が読めませんでした。
でも先生は私が譜面を読めると思っていたんです。
何故か?
答えは簡単。
私は先生の真似をして覚えていただけなので、
譜面が読めなくても叩けたんですね。
先生に「じゃあ次ここやってみようか!」なんて言われた時も
「一回お手本見せてもらっていいですか?」とお願いして、
それをその場で覚えて叩いていました。
でも譜面が読めないっていうと怒られそうで怖かったので、
一応目線は譜面にしておきます。
でも見てるだけ。私からしたらただの「景色」でした。
私のように「真似をする」のが得意なタイプもいます。
子供の場合は覚えが早いから余計です。
その見極めに使えるのが「ちょっとのムチャ振り」です。
「ムチャ振り」なので、出来なくてもいい
もちろん最初のとっかかりとして真似をしてもらのは全然いいんです。
特にドラムは体の動かし方が複雑な場合がありますので、
読むより見るようが早い場合もあります。
でもゆくゆくは一人でも叩けるようになってもらいたい。
そこで私がよくやるのが「ちょっとのムチャ振り」
具体的には
・前回やった事を一人でやってもらう
・譜面はしっかり置く
・始めるタイミングも任せる
ですね。
ヒントは譜面だけ。
ただ、これだけだと
「一人で?無理無理!」と負担に感じる生徒さんもいると思いますので、
次のポイントを伝えるのが大事です。
1、失敗してもいい!むしろ失敗しよう
2、確認に時間かけていい!でも全然覚えてない場合は「ギブアップ!」と教えてね
3、ちょっとでも「こんなだっけ?」と覚えていれば、間違ってもいいからやってみてほしい
の3点。
自分で考えてみて欲しいだけなので、「出来なくてもいい」んです。
それをしっかり伝えてあげましょう。
出来れば軽い感じで伝えてあげて、
「遊び感覚」でやってもらうといいですね。
生徒さんも「間違ってもいい」と思えれば、
とりあえずチャレンジしてくれます。
この時、お手本は叩きません。
そこは一貫しています。
譜面がどこまで読めているか?
パターンをどこまで理解できてるか?
お手本なしで、今の自分がどこまで理解出来てるかを一緒に確認することが大切。
出来なかったらまたもう一度一緒に確認すればいいだけですし、
出来たら「いえーい(=゚ω゚)ノ」みたいに一緒喜びます。
覚えたての事は出来なくて当たり前だと思います。
だからこその「ムチャ振り」
ムチャなお願いだから
「失敗してもいい」というのはしっかり伝えてあげましょう。
講師と一緒に叩けるだけでは生徒は育たない
講師のお手本を見ながら一緒に練習出来るのは、
マンツーマンレッスンの大きなメリットでもあるのですが、
「真似してるだけ」になる場合もあります。
生徒が一人でも演奏できるようにするのが講師。
普段から「一人でやってもらう機会」を作って、
どこまで理解できたか、生徒と一緒になって確認しましょう。
私がやるのはちょっとのムチャ振りの他に
・パターンの繰り返しの練習は、途中で講師だけいなくなる
・フィルの前などにカウントを入れなくなる
・練習を始める時、最初のカウントを生徒に入れてもらう
などなど。
講師がいなくても、しっかり「ドラマー」になって欲しいので、
生徒が叩けるようになればなるほど講師は助けないようにしています。
その代わり横で
「今のだとちょっと早い!」
「遅れた!」
「惜しい!」
「もう一回!」
なんて、やんややんや言ってます。
講師と一緒に演奏出来るようになってようやくスタートライン。
そこから自分一人で演奏する大変さをしっかり体験させるのが、
生徒の成長には欠かせません。
講師が一緒に演奏しなくなると
・自分の音量
・テンポキープの難しさ
・曖昧だった部分
などが、よくわかります。
なんでもかんでも一緒になってあげる「過保護」はダメですね。
もちろん「放任しすぎ」もダメですが。
生徒が一人で叩けるにはどうするか?をしっかり考えれば、
いいレッスンが出来ると思います。
まとめ
子持ちの生徒さんからは
「その考え方、子育てにも使えそうですね!」
なんて言ってもらえた事もありましたが、
本当にいろんな場面で使える考え方だと思います。
しっかり人と向き合って、
その人が一人立ちするようにどうするか?を考えるのは
子育てでも仕事の人材育成でも一緒です。
「ちょっとのムチャ振り」で、生徒さんの成長が確認出来ます。
「出来るはず」と決めつけないで、生徒さんと向き合うのが大切です。
生徒が上手くなると、講師は嬉しいですからね!
参考にしてみてください。
ではまた!(=゚ω゚)ノ