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「教える」と「育てる」は違う

ドラム講師を数年続けて、人に何かを伝える時に

「教える」と「育てる」は違うんだなぁとつくづく思います。

「あの先生、なんか教え方が下手だよね・・・」

なんて先生も学生時代にいましたが、

そもそも教え方が「下手」って、何が下手なんでしょう?

講師をするにあたって、私が気をつけている事を書いていきます。

言葉遊びに聞こえるかもしれませんので、

あくまで「参考の1つ」として考えてください。

ではいきましょー!

「教える」だと、なんか一方的なイメージ

私のイメージですが、

「教える」ってなんだか一方的な響きだと思うんです。

・勉強を教える

・仕事を教える

・音楽を教える

いろいろありますが、

教えるって「相手が理解してなくても」教えるって言えちゃうんです。

「いやいや。相手が理解していないなら、それは教えてないだろう」

という考え方もわかります。

教わる方も理解しようと努力する必要もありますし、突き詰めるとややこしい・・・。

なので、ホント私の「教えると言う言葉」に対するイメージの話です。

例えば高校時代にいた数学の先生。

「〇〇はこうです」

「〜〜はこうです」

「こういうものです」

みたいな教え方でした。

なんかとりあえず「全部こういうもんだから丸暗記しろ」みたいな。

確かにこの先生は教えていたかもしれませんが、

クラスの大半は「?」マークが出ていました。

理解出来ていません。

理解しようとしても、何がわからないかがわからない状態。

私もその一人。

んでいざ中間テスト。

終わってみれば「平均点は20」です。

100点満点中、20が平均点ってどうなのよ?

なんぼなんでも低すぎない?

他のテストは平均点70とかあるから、

当時のクラスはみんな勉強出来ないわけではないと思います。

その先生が教えている数学だけ低いんです。

これはもう「教え方が下手」なんだなと。

一方的過ぎるんですね。

「生徒が理解する必要がどこにあるの?」と言わんばかりのスタイル。

逆に聞きたい。

じゃあ自分が逆の立場だったら今のあなたの教え方でので理解できるのかと。

「何にも知らない状態の人」に対して、

「理解できている人にしか分からない教え方」で、噛み合うわけがありません。

でも、これでも定義上は「教えた」事になっちゃうんです。

なので私の「教える」という言葉に対してのイメージは「なんだか一方的」なんです。

「育てる」は自分で気付かせたり、一人で出来るようにするイメージ

今度は「育てる」

私の中でのイメージは

・自分で気付かせる

・理解してもらって、一人でも出来るようにする

みたいなイメージ。

ドラム講師の観点でいえば、「自分で気付かせる」というのは

「うまくなりたいなら、やっぱり家でも練習しないとなぁ」とか

「このテクニックがあるとこんなことが出来るのか!じゃあやってみよう!」など。

生徒が「自分から自発的に行動しよう」と思えるようにすることだと思います。

ただ「練習しなさい!」と言うのは

親が子供に「いいから勉強しなさい!」と言うのと一緒。

素直にやる人もいれば

「今やるとこだったのに!やる気なくなった!」なんて人もいますね。

私も見に覚えが・・・( ;´Д`)

一方的に〇〇しなさい!は「教える」ですね。

「これが出来るとこんなことが出来るよ!」

「これがやりたいなら、こっちを練習しておくと役に立つよ!」みたいに

「何をしたらどうなるか」をしっかり伝えて、

本人が納得して取り組めるのが一番伸びます。

怖いのは

「〇〇しなさいって言われたからとりあえずやってるだけ。やらなきゃいけない理由は知らない」

なんて、なんとなくやってて結果何も身につかないケース。

本人に「覚えよう」「やってみよう」の気がないと

ただ何となくしか出来ません。

「ただ教える」だけでは生徒は「育ちません」

やっていることの意味がわかってないですからね。

しっかりと今やっていることの意味を、

キチンと説明して、理解してもらえるように接するのが「育てる」だと思います。

教えると育てるのバランス

ドラムを教えるとき、

「全く何も知らない初心者さん」だってたくさんいます。

生徒さんも最初は右も左もわからないので、

私も「教える」になってしまいますが、

後で「育つ」ように説明するように意識しています。

新しいことを覚えるときに、最初から全ての意味を理解するのは難しいですからね。

でもだんだん出来ることも増えてきて、

「今までの練習の意味」がわかってきます。

・メトロノームを使うのは正確なテンポを勉強するため

・柔らかくするのは音の綺麗さ、自分の疲れにくさにつながる

・失敗しても止まらないのは実際に演奏する時のため

などですね。

本人が理解し始めれば、あとは自分でも気付けるように「育って」いきます。

育ってくれば

「〇〇が出来るようになりたいから、家でも練習しよ」

「ここがわかんないから今度聞いてみよ」

みたいに、自分から行動に移せるようになります。

キチンと教えたことで、生徒が「出来た!」体験がたくさんできれば、

また新しいことを覚える時も

「まだよくわかんないけど、出来るようになると嬉しいからとりあえずやってみよ!」

なんて前向きになりやすいです。

「教える」だけでは足りない事も多々ありますので

「育つように教える」ようにしています。

まとめ

ただの街の音楽講師の一人でしかない私が偉そうなことを書いてしまいましたが、

講師業についている人は「教える」のか「育てる」のかで悩む方もいると思います。

そんな方の参考になれば幸いです!

私は「自分がやられたら嫌だと思うことは人にはしない」タイプなので

この考えで何とかやってこれました。

一方的なレッスンにならないように気をつけます。

ではまた!(=゚ω゚)ノ